テラフォーミングマーズ5人戦リプレイ:写真で振り返る10世代の記録
■ゲーム概要
タイトル:テラフォーミングマーズ
プレイ人数:1〜5人
プレイ時間:120分〜240分
ジャンル:拡大再生産(エンジンビルド)
特徴:火星の環境を人間が住めるように地球化(テラフォーミング)していくSFテーマの重量級ボードゲーム。手札のカードをプレイして自分の資源や収入を増やしていく拡大再生産型のゲーム。
今回のセット:「完全日本語版」基本セット
■この記事で分かること
・テラフォーミングマーズに興味がある人向けのリプレイ
・テラフォーミングマーズのルール概略
・基本セット5人戦のゲーム終了までの経過
・ゲーム開始から終了までの盤面の変化
■ゲームの概略と勝利条件
テラフォーミングマーズは、一企業を率いて火星の地球化事業に参加し、プロジェクト・カードをプレイして資源や収入を増やします。ただし、勝利点を獲得するには火星の「気温」「酸素濃度」「海洋面積率」を上昇させ、テラフォーミングに貢献する必要があります。地球化指数(TR)を増やし、火星マップに自分のタイルを配置し、褒章や称号を獲得し、もっともテラフォーミングに貢献したプレイヤーが勝者となります。
■ルールの概略
このゲームの1ターンは1世代(30年ぐらい?)という長いスパンを表します。各ターンには
・手番順フェイズ
・研究開発フェイズ
・アクション・フェイズ
・産出フェイズ
を実行します。
■手番順フェイズ
親マーカーを持っているプレイヤーはマーカーを左隣のプレイヤーに渡し、世代マーカー(ターンマーカー)を1つ上の欄に移動させます。
■研究開発フェイズ
プロジェクト・カードの山の上から4枚を引き、手札として購入するカードを選びます。購入するには1枚あたり3金支払います。購入枚数は0枚でもかまいません。また、手札上限はありません。購入しなかったカードは捨て札になります。
■アクション・フェイズ
各プレイヤーは自分の手番にアクションを2回まで実行できます。アクションとは
・手札1枚のプレイ
・標準プロジェクトの実行
・称号1つの獲得
・褒章1つの設立
・配置カードにある青アクションの実行
・植物の緑地タイルへの変換
・発熱の気温への変換
のどれか1つです。アクションをせずにパスを選択するとそのターンでのプレイは終了します。すべてのプレイヤーがパスを選ぶと、そのターン(世代)は終了します。称号や褒章は最終追加得点になりますから、ゲーム終盤に機を見て選択します。
■産出フェイズ
まず、すべての電力を発熱に変換します。具体的には、プレイヤーボード上の電力ボックスのキューブをすべて発熱ボックスに移します。次に、すべてのプレイヤーは現金、建材、チタン、植物、電力を新たに獲得します。最後に、使用したアクション・カードからプレイヤーマーカーを除去します。
次の写真は収入と保有資源を管理するプレイヤーボードです。中段の0から10まで書かれている小さなボックスが産出量です。-5まであるのは現金収入になります。上段のボックスは左から順に現金、建材、チタン、下段のボックスは植物、電力、発熱です。

■5人戦
今回は最大人数の5人で対戦しました。全員久しぶりのプレイでルールも忘れているため、すべてのプレイヤーが「初心者用の企業」でのプレイとしました。そのため担当は
Toさん:レッド社
Naさん:ブラック社
sira:イエロー社
Fuさん:グリーン社
Taさん:ブルー社
としています。
次の写真は、ゲーム開始時の盤面です。なにもない火星が広がっています。緑のアイコンがあるヘクスは、タイルを置くことで植物資源を獲得できます。うっすらと青色が付いているヘクスには、海タイルを配置することができます。

■第1世代
「初心者用の企業」はゲーム開始時に42金とプロジェクトカード10枚をもって開始できます。ゲーム開始時の資産があるので、第1世代(ターン)では手番順フェイズと研究開発フェイズはプレイしません。
次の写真はイエロー社の初期手札です。すぐに使えるのは「発明コンテスト」「委員会買収」「露天鉱床」「建設ラッシュ」あたりでしょうか。

各社は豊富な資金とプロジェクト・カードの中から、以下のプロジェクトを実行しました。
レッド社:「最先端合金」
ブラック社:「火星大学」「発明家ギルド」「藍色細菌」
イエロー社:「発明コンテスト」「委員会買収」
グリーン社:「原子力発電」「クマムシ」
ブルー社:「宇宙ステーション」
イエロー社はプロジェクト・カードのほかに標準プロジェクトの発電所を2つ実行しています。「発明コンテスト」では「窒素の輸入」を獲得しました。また、各社ともすぐに使用できないパテント(プロジェクト・カード)を売却しました。
次の写真はゲーム開始時の得点表です。全社20点からスタートします。

■第2世代
この世代は、地味ですが重要なカードがプレイされました。
レッド社:プロジェクト・カードのプレイなし
ブラック社「人工衛星」
イエロー社:「巨大宇宙鏡」「建設ラッシュ」
グリーン社:「警備艦隊」
ブルー社:「小型風車」
電力がないとプレイできないカードが多いため、各社ともまずは電力の確保が優先されました。イエロー社のカードはいずれも発電力の強化です。そんななか、グリーン社が「警備艦隊」を設置します。戦闘機1機しかない艦隊ですが、後で意外な効果を発揮しました。
■第3世代
後から振り返ってみると、この頃から木星系など各社の特徴が出てきたようです。
レッド社:「イオ採掘産業」「温室ガス工場」
ブラック社:「溶岩流」 気温+2度(孔雀山)
イエロー社:「露天鉱床」 酸素濃度+2%
グリーン社:「地球オフィス」
ブルー社:「太陽光発電」
気温や酸素濃度の上昇はそのまま勝利点の獲得に直結します。累積勝利点=各世代の収入ですから、早い段階での勝利点獲得が重要になってきます。
■第4世代
そろそろ特徴あるカードのプレイが始まります。発熱効果により気温も上がりはじめました。
レッド社:「カリスト懲罰鉱山」
ブラック社:「開拓民訓練キャンプ」「深井戸暖房」
イエロー社:「モホール採掘エリア」 発熱+4
グリーン社:「改良型温室効果ガスの輸入」「メディア・グループ」
ブルー社:「ナノテクノロジーのデモンストレーション」
レッド社はイオやカリストなど木星関係のカードを重点的にプレイしています。発熱が貯まれば気温を上げることができますから、発熱をともなうプロジェクトは優先的にプレイしたいです。グリーン社の「メディア・グループ」はイベントカードをプレイするたびに3金獲得できるという効果的なカードです。
■第5世代
この世代、各社ともそれなりのプロジェクト・カードをプレイしています。収入も上がっているようです。
レッド社:「前哨研究基地」
ブラック社:「永久凍土解凍」「太陽光電力発電」
イエロー社:「ノクティス開墾」「ラグランジュ観測所」
グリーン社:「自然保護区」「最適化された空力ブレーキ」「発熱」
ブルー社:「スポンサー」「商業特区」
このターン、イエロー社とブルー社が発熱で温度上昇をさせました。レッド社の「前哨研究基地」は以後すべてのカードのプレイコストが-1金となります。「最適化された空力ブレーキ」は宇宙関連イベントカードがプレイされるたびに3金と3温熱獲得という有効なカードです。
次の写真は第5世代終了時の盤面です。孔雀山ヘクスの「溶岩流」やレッド社の「前哨研究基地」、イエロー社の「モホール採掘エリア」など、少しずつ火星の表面に変化が現れてきています。

そろそろ盤面が動き始め、次の世代からはゲームが加速していきます。
■第6世代
この頃から海を発生させる大規模なプロジェクト・カードがプレイされるようになります。海ができれば、盤面も変化します。
レッド社:「業務提携」「燃料発電機」「彗星曳航」「マグネシウム鉱山」
イエロー社:「物理学総合研究所」「雷電ハーベスタ」「企業買収」「水素の輸入」
ブラック社:「ウイルス・エンパンサ」「税関ステーション」「標準型小惑星」「火力発電」
グリーン社:「領有権主張」「温室効果ガス生成バクテリア」「小惑星採掘」
ブルー社:「工業地帯」「適応技術」
このターン辺りからプレイできるカードが増え、ゲームの展開が早くなりました。レッド社の「業務提携」は7金を支払うことでカードを4枚引いて2枚もらえます。ブラック社の「標準型小惑星」は隕石の落下による温室効果を目的としたプロジェクトですが、副作用で誰かが育てている植物資源が3つ焼かれてしまいます。
次の写真は第6世代終了時の盤面です。「彗星曳航」や「水素の輸入」により、火星に海が作られ始めました。

■第7世代
気温や酸素濃度が上昇してくると、プレイできるカードも変わってきます。
レッド社:「投資ローン」「地熱発電」「地衣類」
ブラック社:「メディア・アーカイヴ」「海王星軌道通過探査船」「都市建設(標準プロジェクト)」「飛行船」「炭化プロセス」
イエロー社:「窒素の輸入」「電磁場ドーム」「森林(標準プロジェクト)」
グリーン社:「トロピカル・リゾート」「滞水層くみ上げ」
ブルー社:「ウエスタ造船」「森林(標準プロジェクト)」
ブラック社の「メディア・アーカイヴ」はその時点で自分がプレイしたイベントカードの枚数×ゲーム参加人数分の資金を得ることができる、ゲーム後半に有効なカードです。また、このターンには気温が8度に達し、ゲーム終了条件の1つが達成されました。そろそろゲーム終了を意識したプレイへと変わっていきます。
第7世代終了時の盤面です。標準プロジェクトやカード効果により、都市や緑地が増えています。

■第8世代
「首都」や「富窒素小惑星」をはじめ大きなプロジェクトが実施される世代となりました。
レッド社:「極冠の雪解け」「首都」「富窒素小惑星」「森林(標準プロジェクト)」
ブラック社:「農場」「波力発電」
イエロー社:「カルテル」「ツンドラ開墾」「核融合発電」「放射能防護服」
グリーン社:「大クレーター・ドーム」「マングローブの森」
ブルー社:「ノクティス市」「水力発電」
「火星の首都」と「ノクティス市」が建設され、火星開拓が進んでいることが見て取れます。イエロー社の「カルテル」はプレイした地球系カード枚数分収入を増やせるカードです。
第8世代終了時の盤面です。海が8ヘクスに配置され、海タイルはあと1つを残すのみです。また、マップの中心付近に火星の首都が建設されました。

■第9世代
この世代、開拓から次のステージへと明らかにプレイ内容が変わってきました。
レッド社:「ガニメデコロニー」「総督の称号」
ブラック社:「科学王の褒賞設立」「地下貯水池よりの湧出」「メトロポリス」
イエロー社:「銀行王の褒賞設立」「電力網」「植物の緑地タイルへの変換」
グリーン社:「巨大氷小惑星」「海藻畑」
ブルー社:「生命探査」「恒星間植民船」「植物の緑地タイルへの変換」「地殻応力発電」
ゲーム終了を見越して称号の獲得や褒章の設立が相次ぎます。また、大規模なプロジェクト・カードのプレイも続き、各社の収入が増加していることがわかります。このターンの「巨大氷小惑星」の落下により「海洋タイル」は9枚(面積率9%)となり、終了条件が1つクリアされました。残る条件の酸素濃度が14%になればゲーム終了です。
■第10世代
最終ターンは得点稼ぎの世代となりました。緑地タイルの配置も増えています。
レッド社:「テラフォーミング・ガニメデ」「呼吸マスク」
ブラック社:「軌道エレベーター」「風力発電」「植物の緑地タイルへの変換」
イエロー社:「研究につぐ研究」「管理契約」「ローパー建設」「エウロパよりの輸送船団」「人造湖」
グリーン社:「採掘地帯」「植物の緑地タイルへの変換」「森林(標準プロジェクト)」「緑化匠の称号」
ブルー社:「地下核実験施設」「植物の緑地タイルへの変換」「建設師の称号」
「植物の緑地タイルへの変換」により酸素濃度は14%に到達しました。このターンでゲーム終了です。イエロー社は「物理学研究所」と「管理契約」を稼働させ、それぞれ手元の電力と温熱を勝利点に変換させました。称号の獲得も進み、各社とも最後の勝利点獲得に励んでいます。
ゲーム終了時の盤面です。ゲーム終了直前の緑地タイル配置により、火星に緑が増えています。

■得点計算
ゲーム終了時の基本勝利点は、
レッド社:35点
ブラック社:34点
イエロー社:34点
グリーン社:29点
ブルー社:33点
と競っています。ここに緑地タイル、プロジェクト・カード記載の勝利点、称号と褒章を加えます。
レッド社:35点+緑地4点+カード14点+総督5点=58点
ブラック社:34点+緑地2点+カード11点+科学王3点=50点
イエロー社:34点+緑地4点+カード12点+銀行王5点+科学王3点=58点
グリーン社:29点+緑地8点+カード18点+緑化匠5点=60点
ブルー社:33点+緑地8点+カード11点+建設師5点=57点
総合得点60点でグリーン社が勝利しました。
■勝因の分析
グリーン社はプロジェクト・カードの「警備艦隊」9点と「クマムシ」2点により毎ターン着々と勝利点を貯め、最終盤で大逆転しました。第1、2世代と早いうちに蓄積型の勝利点獲得カードをプレイしたのが大きな勝因です。
また、ブラック社は科学王で5点獲得を狙いましたが、最後にイエロー社が「研究につぐ研究」で科学アイコンを同点としたため、イエロー社と褒章を分かち合うことになり、得点が減少しました。
■各社のプロジェクト・カード
ゲーム終了時の各社が開発したプロジェクト・カードを見ていきます。一部見にくいですが、ご了承願います。
■レッド社
「イオ採掘産業」「カリスト懲罰鉱山」「ガニメデコロニー」といった木星関係のカードが目立ちます。第8世代時には「首都」の建設で盤面をリードし、同率2位となりました。

■ブラック社
「軌道エレベーター」以外は比較的コスト軽めのカードをプレイしています。第1世代で「火星大学」と「発明家ギルド」を設置し、カードドローを増やせた効果があったようです。「メディア・アーカイヴ」は思わぬ臨時収入がありました。

■イエロー社
「巨大宇宙鏡」や「核融合発電」で電力には余裕があったようです。「カルテル」で収入を増やし、最後に「電力網」と「物理学総合研究所」を稼働させましたが、一歩およばず同率2位でした。

■グリーン社
第2世代に設立した「警備艦隊」が最終的に9点稼ぎ、勝因となりました。「クマムシ」でも2点獲得しています。「メディア・グループ」や「最適化された空力ブレーキ」など効果的な収入もあり、最後に逆転して1位となりました。

■ブルー社
「水力発電」や「工業地帯」といった建物タグのカードが多く、建設師の称号を獲得しました。「宇宙ステーション」や「恒星間移民船」など宇宙タグのカードも目立っています。

ゲームの終わりに手元に並んだプロジェクト・カードを眺めると、10世代およそ300年の火星の歴史が見えてくるようで、感慨深くもなります。このあたりのプレイ後感もテラフォーミングマーズの魅力の1つだと思います。

■プレイの総評
8~9年ぶりの対戦のため感覚を取り戻すのに時間がかかりましたが、結果的には接戦となりました。200枚を超すプロジェクト・カードはすべて違うカードなのでプレイするたびに展開が変わります。次は配布された企業カードの特徴を活かすようなゲームができれば面白いと思います。
■こんな人におすすめです
・カードのコンボを考えるのが好きな人
・火星開拓のSF的世界観に没入したい人
・2時間以上じっくりと大型ゲームが遊びたい人
(今回は5人でゲーム終了まで4時間半ほどかかりました。慣れればもっと時間短縮できます)

