「7 Ages」5人戦リプレイ:モンゴル帝国の躍進とその崩壊
■ゲーム概要
タイトル:7 Ages
プレイ人数:2〜7人
プレイ時間:180分〜
ジャンル:紀元前4000年から西暦2000年までの六千年間の人類史を扱うマルチゲーム
特徴:プレイヤーは古代から現代まで110の国を順次選んでプレイし、人類の歴史を紡いでいく
今回は、2008年に行われた 5 人戦のリプレイをご紹介します。前回の 6 人戦の次の回で、プレイヤーたちもゲームに慣れ始め、前半は騎馬民族などの蛮族国家が暴れ回り、後半は内政アクション時のイベントカード活用が目立つようになりました。 “慣れてきたプレイがどのような展開を生んだのか” を、ぜひご覧ください。
ゲームの参加者と担当国は以下のとおりです。
| プレイヤー | 担当国家 |
| 阿波狸さん | 森林インディアン、ドイツ、唐、セルジューク・トルコ |
| 残月さん | モンゴル、マヤ |
| あけぼの81号さん | エチオピア、アラブ帝国、自由サータヴァーハナ朝(仮称)、自由モンゴル(仮称) |
| えむでんさん | ベトナム、サータヴァーハナ朝、トルテカ・アステカ |
| sira(筆者) | ヴァイキング、ポリネシア、ゴート族 |
■ゲーム開始:モンゴル帝国の建国とその影響
今回第1プレイヤーを取ったのは残月さんでした。
「モンゴルを建国します」
(ざわ ざわ)
初手「モンゴル」建国により、自動的にAge 3開始が決定しました。Age 3の暗黒時代を乗り越えるゲームになります。「モンゴル」はセットアップの際に発生時移動2回の上、St持ちのリーダー「チンギスハーン」が登場するため発生時移動3回が可能な最強の蛮族国家です。「モンゴル」が登場したことで、いきなり各プレイヤーの手札にある中国系国家が無力化されてしまいました。建国とともに「モンゴル」はアジアに覇を唱え、残りの人たちは「モンゴル」から距離を置いた以下の国々を建国しました。
・北米の「森林インディアン」
・アフリカの「エチオピア」
・東南アジアの「ベトナム」
・北欧の「ヴァイキング」
■ゲーム序盤:追加の建国とヨーロッパの戦いの帰結
7 Ages では複数国家を運用することが非常に有利であり、可能であれば早い段階で2国目を建国したいところです。第2ターン以降「マヤ」をはじめ複数の文明が新たに建国され、勢力図が大きく動き始めました。この章では、これらの追加建国が中盤以降の展開にどのような影響を与えたのかを整理します。
第2ターンには中米に「マヤ」、インドに「サータヴァーハナ朝」、東南アジアには「ポリネシア」が建国されました。「ヴァイキング」も「ポリネシア」もAge 3では蛮族扱いなので都市を建設できません。「ベトナム」と「サータヴァーハナ朝」は順調に発展し、「エチオピア」は金山の発見で富裕国になります。
(ところで、ここまでに建国された国家の配置を見てみてください。どれも「モンゴル」から距離のある地域ばかりで、誰もがモンゴルを強く警戒していたことが伝わってきます)
一方、このあたりでGPを稼ぎまくっていた「ベトナム」が警戒され、「帝国の崩壊」が起こり全土に混乱マーカーが置かれました。混乱エリアのユニット、リーダー、文物はすべて破壊されてしまいます。
さらに「ヴァイキング」は北米に到達して固有GPを獲得しますが、依然として“一流国”とは言いがたい状況です。ところが、その「ヴァイキング」の本拠地デンマークの背後に「ドイツ」が建国されました。一流国候補の登場であり、同時にGP稼ぎ頭だった「ヴァイキング」にとっては大きな脅威となりました。
ヴァイキングプレイヤー「ドイツの隣のバルト地方に「ゴート族」を建国します」
ドイツプレイヤー「戦いますか?」
ここに初めての帝国同士の戦争が始まりました。Age 3の「ドイツ」は15金しか初期所持金がない(Age数×5が初期所持金)ので、このAgeなら「ゴート族」でも倒せるはずです。発生時移動を2回プレイするイベントカードや他のプレイヤーの支援のおかげで、どうにかゴート軍はドイツ軍主力を撃破できました。「ゴート族」は蛮族なので自分より進歩レベルが高い帝国のエリアを奪う毎に1GPを獲得できるため、こういった戦争目的の建国が向いています。また、ヨーロッパの勢力図はこの時点でゲーム終了までほぼ固定化されました。ゲームの舞台は北米とインド・中東へと移っていきます。
■ゲーム中盤:トルテカ・アステカによる北米の平定とインド・中東情勢の変化
一方このころ北米では「トルテカ・アステカ」が興り、「森林インディアン」を駆逐していきます。「トルテカ・アステカ」はこの後、大規模な都市化に成功して北米の大国になりました。また、「トルテカ・アステカ」は戦争で敵ユニットを撃破するとユニット1つを自軍ユニットとすることができるため、「森林インディアン」はよい標的となってしまいました。
「森林インディアン」は廃棄され、代わりに中国で「モンゴル」の版図の直中に「唐」が建国されますが、あっけなくモンゴル軍主力に滅ぼされてしまいます。また、「サータヴァーハナ朝」では「帝国の分裂」が発生し、パキスタン地方に「自由サータヴァーハナ朝(仮称)」が誕生します。さらに中東には「アラブ帝国」が建国されました。Scリーダーを持つ「アラブ帝国」はAge 3の進歩の牽引役となり、ここにようやくProgress Track がAge 4へと進み始めました。
■ゲーム後半:イベントカードによる帝国の興亡とセルジューク・トルコの勃興
ところで、今回のゲームで目立ったのは強力なイベントカードが飛び交ったことです。序盤のベトナムへの「帝国の崩壊」やミシシッピ川流域への「洪水」(一つの河川に隣接するすべてのエリアが混乱します)などもそうですが、ゲーム後半に発生したイベントは最終順位を入れ替える効果がありました。
下の写真は「アラブ帝国」建国と時を同じくして、「モンゴル」(灰色)が「帝国の分裂」で弱体化した「サータヴァーハナ朝」(黄色)へ侵攻しようとする場面です。ところが、

アラブ帝国プレイヤー「モンゴルに「内戦」」
モンゴルは国を二分する内戦となりました(モンゴルらしいというか何というか)。モンゴルプレイヤーとアラブ帝国プレイヤーが交互にモンゴルのエリアを選択し、アラブ帝国プレイヤーが選んだエリアは新国家「自由モンゴル(仮称)」(薄茶)となり、アラブ帝国プレイヤーが操作します。
「モンゴル」は終わったか、と思わせたところに更に追い打ちをかけるように、中央アジアに「セルジューク・トルコ」が建国されました。これにはアラブ帝国プレイヤーもモンゴルプレイヤーも驚きます。セルジューク・トルコプレイヤーからすれば、モンゴルの「内戦」は建国のまたとない好機と映ったことでしょう。
次の写真を前の写真と見比べてみてください。灰色のモンゴル軍スタックがいたエリアが、きれいに薄紫のセルジューク・トルコ軍スタックに入れ替わっています。サータヴァーハナ朝(黄色)にとってはモンゴルよりも強大な侵略者が出現し、誰もがその滅亡を予想しました。

トルコといいつつ「セルジューク・トルコ」の発生エリアは中央アジアのオクシアナ、よりによって「自由モンゴル」軍主力のいるエリアです。「セルジューク・トルコ」はあっさりと「自由モンゴル」を蹴散らすと、隣のエリアにいたチンギスハーン率いる「モンゴル」軍主力に襲いかかり、これも殲滅します。しかしモンゴル側も「驚異の回復」を使用してチンギスハーンの戦死を防ぎました。Stリーダーであるチンギスハーンを失うわけにはいきません。
■ゲーム後半:セルジューク・トルコによるインド侵攻
ここまででも十分にイベントまみれの展開でしたが、「モンゴル」に代わってインドに侵攻した「セルジューク・トルコ」と「サータヴァーハナ朝」の決戦は、さらに凶悪なものになりました。
・セルジューク・トルコは「集中砲火」で支援火力2倍
・サータヴァーハナ朝は「催眠術師」で双方の数値カードの好きな方を選べる
どちらも一撃で戦況をひっくり返せる強力なイベントカードを繰り出し、今回のゲームでは一番盛り上がった戦闘になりました。
「催眠術師」は、戦闘時にお互いが出した数値カードのうち、好きな方を自分のカードとして採用できるという極めて強力な効果です。そのため最初の戦闘ではサータヴァーハナ朝が優勢となり、セルジューク・トルコは一時退却を余儀なくされました。
しかし、イベントカードを使わせた後で再侵攻するというセルジューク側の判断が功を奏し、二度目の戦闘ではインド北部の平地を確保することに成功します。とはいえ、「サータヴァーハナ朝」もそれ以上の進出は許さず、結果としては“痛み分け”のような形で戦線が固定されました。
■ゲーム終盤:イベントカードによる熾烈な最終順位争い
時間も押してきて最終ターンに突入します。北米の「トルテカ・アステカ」がトッププレイヤーの大きな得点源となっていることが警戒され、まずはここに揺さぶりが入ります。「トルテカ・アステカ」では「蜂起」が発生し、混乱マーカーが一気に増殖しました。
一方で「アラブ帝国」は、GPの稼げないアラビア砂漠に領土を広げるという奇妙な行動を取ります(この理由は最後のGP計算で明らかになります)。さらに、突如として黄河で「洪水」が発生し、モンゴル領の流域エリアが混乱状態となりました。
するとアラブ帝国プレイヤーが宣言します。
「じゃあコンボで「帝国の崩壊」ね。混乱エリアのユニット除去」
他のプレイヤーが驚いたのは言うまでもありません。
「モンゴル」の中枢は再び崩壊し、最終ターンでは「アラブ帝国」が「モンゴル」に代わって World(全世界で領土が最も広い文明) のGPを獲得します。砂漠エリアを領土に加えていたのは、この World狙いの布石だったわけです。
とはいえ、ゲーム全体の勝負は揺らぎませんでした。「ベトナム」や「トルテカ・アステカ」で手堅くGPを積み重ねたえむでんさんが、終始安定したリードを保ったまま勝利を収めています。
最終盤面の世界全図はこのようになりました。

北米には多数の都市を築いた「トルテカ・アステカ」が広がり、ヨーロッパでは「ヴァイキング」(青)をはじめ幾つかの国家が分立しています。
中東には領土世界一となった「アラブ帝国」(ピンク)、アフリカには「エチオピア」(緑)、インドには「サータヴァーハナ朝」(黄色)が生き残りました。
中国の「モンゴル」は分裂したままで、東南アジアには「ベトナム」、島嶼部には「ポリネシア」が見えます。
こうして見ると、終盤の混乱を経て“それぞれが生き残った場所”がはっきりと分かる盤面になっています。
次の写真は、ゲーム終了時の Glory Track(得点表)と Progress Track(文明の進歩表)です。

得点表の点数は次のとおりです。得点は大きく伸びましたが、Progress Track ではどのプレイヤーも Age 3 の暗黒時代を抜けることができませんでした。 また、最後の「モンゴル」の崩壊がなければ、残月さんが 2 位に入っていたことでしょう。
| プレイヤー | 主な得点源 | 得点 |
| えむでんさん | ベトナム、トルテカ・アステカ | 64点 |
| sira | ヴァイキング、ゴート族 | 51点 |
| 残月 | モンゴル | 50点 |
| あけぼの81号 | アラブ帝国 | 38点 |
| 阿波狸 | セルジューク・トルコ | 34点 |
前回の 6 人プレイと比べると、今回は全体的に得点が大きく伸びています。
イベントカードを活用した効果的な「内政」により、各プレイヤーがより多くのGPを稼げるようになった結果といえるでしょう。
次の写真はゲーム終了時の北米・中米・ヨーロッパです。「トルテカ・アステカ」が北米の大国として各エリアに都市を築いています。

上の写真をよく見ると「トルテカ・アステカ」の平原エリアに混乱マーカーが置かれています。「蜂起」の傷跡です。
今回のゲームでは次の三点が印象的でした。
・初手「モンゴル」建国によるアジア制覇
・イベントカードによる帝国の分裂が複数発生
・内政アクションを選択し、イベントカードで得点するプレイが目立った
特にイベントカードの活用は、7 Agesで勝利する上で欠かせない要素だと改めて感じました。コンボによる破壊力も強烈で、今回のプレイでも随所でその影響が現れています。
■こんな人におすすめ
「7Ages」は文明の盛衰をカードプレイで再現する超大型マルチゲームです。
・世界史、特に同時代史が好きな人
・戦略級マルチゲームをワイワイと楽しみたい人
・2人から7人まで遊べるマルチゲームを探している人
・強力なイベントカードで”世界史を書き換える”体験をしてみたい人

